第46章

高木文弘視点

 野口裕史は俺の怒りを察知し、恐る恐る口を開いた。

「アルファ、これからどういたしましょうか」

「今すぐセント・メアリー病院へ人をやれ。もしカルテが燃やされたら、お前らも生きて帰れると思うな」

 俺は冷酷に言い放つ。

 南川茜。あのクズ女、よくもこの俺を騙してくれたな。

 あいつのせいで、俺と高木愛美の間にどれほどのすれ違いが生まれたことか。

 苛立ちのままに部屋の中を歩き回ること一時間。野口裕史が息を切らして扉を開けた。

「アルファ、片付きました!」

 彼は安堵の息を吐き出す。

「我々が駆けつけた時、奴らはちょうどカルテに火を放とうとしているところでした」

「地下...

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