第47章

三人称視点

 レッドストーン大学、医学部神経科学センター。

 白衣に身を包んだ愛美は、後ろ髪を無造作に束ねていた。

 顕微鏡を覗き込むその横顔は真剣そのものだ。慎重にピントを合わせ、人狼の神経細胞の切片サンプルを観察している。

「愛美、このプレパラートは実に見事に処理されているな」

 傍らから、感嘆の声が漏れた。

 すぐ横に立つ菅原剛は、彼女の実験ノートに目を落とし、惜しみない賞賛の眼差しを向けていた。

「君の才能は、私の予想を遥かに超えているよ」

 菅原は眼鏡のブリッジを指で押し上げ、極めて厳粛な面持ちで告げた。

「今後、私のオペでは君に第一助手を任せたい。当分の間、君の代わり...

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