第55章

南川茜視点

 ゴールデンムーン邸の地下水牢。

 水牢の薬液はひどく冷たく、浸かっていると皮膚から絶え間ない刺痛が伝わってくる。

 ここはゴールデンムーン邸の地下にあり、本来は罪を犯した人狼を罰するための場所だ。

 それが今、私の「治療室」となっている。

 池の水には銀の毒と他の薬が混ざっており、私の皮膚は腐り落ちては、薬効によってゆっくりと癒える。その過程が何度も繰り返され、耐え難い苦痛をもたらしていた。

 防護服を着た医者が入ってきて、手元の記録ボードを見ながら淡々とした口調で言った。

「南川茜、バイタルサイン正常」

 彼は事務的に告げる。「アルファが発たれる前、あなたの病...

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