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会食は終始和やかに進み、皆、心から食事を楽しんでいた。席間、私が立ち上げる新会社の構想について話すと、千葉源さんは聞けば聞くほど目を輝かせ、ついには親指を立てて感嘆の声を漏らした。

「『坂下商事』がずっと君の手にあったなら、今頃は東洋天宇を凌ぐ勢いだったでしょうね。いやあ、坂本さん、こんなことを言っても気を悪くしないでくださいよ?」

 坂本天宇は首を横に振り、淡々と答えた。

「僕はただの雇われ身分ですから。会社の行く末なんて興味ありませんよ。でも、もし本当にそんな日が来たら、喜んで転職させてもらいます」

 千葉源は爽快に笑った。

「その気になったらいつでも歓迎しますよ。僕の椅子以外...

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