141

ここまで聞いて、ようやく合点がいった。どうやら東洋天宇が坂下直樹との提携を打ち切るらしく、私が坂本天宇をそそのかして邪魔をしたのだと彼は思い込んでいるようだ。だけど、私は何もしていない。それに坂本天宇だって、彼が言うようなただの下っ端アシスタントにすぎないのだ。私たち二人が何か企んだところで、一体何ができるというのだろうか。

とはいえ、その知らせを聞いて胸がすく思いだったのは事実だ。私は思わず笑みをこぼし、口を開いた。

「私の仕業じゃないけど、それを聞いてすごく嬉しいわ。それと一つ訂正させて。坂下商事を潰したのは私じゃない、あなた自身よ」

電話の向こうから、何かを激しく叩きつけるような...

ログインして続きを読む