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彼女の後について部屋を出ると、彼女は煙草を取り出して私に差し出した。私が首を振って断ると、彼女は自分の煙草に火をつけた。その火をつける仕草や癖は、千葉源と瓜二つだった。あの病弱そうな男さえいなければ、距離を縮めるためのいいきっかけになったかもしれない。だが今の状況では、せいぜい心の中でそうぼやくことしかできなかった。

わざわざ私を呼び出したのだから、当然何か話があるはずだ。彼女が黙って煙草を吸っている間、私も無言で待つことにした。

しばらくして、彼女はようやく口を開いた。

「私と千葉源の間には、もうとっくに愛情なんてないのよ」

あの時のオフィスでの千葉源と同じ、中身のない切り出し方だ...

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