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「資金のことは心配しなくていい。もし思源のほうでどうにもならないなら、俺がなんとかするから」

坂本天宇はコンコンと何度か咳き込みながら、そう言葉を紡いだ。

「もしかして、風邪?」

私は思わず心配になって尋ねた。

「いや、ちょっと喉がイガイガするだけだよ」

病気ではないと知り、私はホッと胸を撫で下ろした。それから、手柄を褒めてもらう子供のように、思源の問題はすでに解決したこと、契約はそのまま有効で、資金も間もなく振り込まれることを伝えようとした。だが、私が口を開くより先に、電話の向こうから女の声が聞こえてきた。前回の誤解があったため、私はすぐには激昂せず、受話器を耳に当てたまま黙って...

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