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私はこくりと頷いた。実のところ、ずっと前から運転免許を取りたいと思っていたのだ。最近、外出して用事を済ませるのに、車がないとあまりにも不便だと痛感している。

会社を立ち上げた当初から教習所に通うつもりだったが、最初は陸川貴峰がそばにいてくれたから自分が運転する必要はなかった。その後は坂下直樹が現れ、結婚して家庭に入り、夫を支え子育てに専念するようになると、さらに車を運転する機会はなくなった。そうしてこの件はずるずると先延ばしになり、今日に至ってしまったのだ。

会社に到着し、散らかり放題のオフィスを目にして、私は思わずため息をこぼし、片付けを始めた。

昨日は業務の処理にかまけてオフィスの...

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