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午後、野原天楽がさっそく出社してきた。彼はすっかり興奮した様子で、自分に何ができるのかとしきりに尋ねてくる。建材業界の資料の山を押し付け、まずはこれに目を通してくれと指示すると、彼は嬉しそうに資料を抱え、空いているデスクに座ってさっそく読み始めた。一方の私は、顧客や仕入先への電話掛けに追われていた。支払い期限を数日猶予してもらうため、そして顧客への賠償として仕入先に急ぎで代替品を生産してもらえないか交渉するためだ。

思源会社の支援があるとはいえ、今回の量はあまりにも膨大だ。そのうえ、すべてを思源会社経由で出荷すると輸送コストが跳ね上がってしまう。まさに無い袖は振れない状況であり、一円たりと...

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