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もちろん、今となってはそんなことを考えるだけで、私にそれほど大きな影響を与えるわけではない。

ほどなくして、私たちは江川金生と対面した。

「やあ、高橋真美。ようやく来てくれたね。てっきり気が変わってすっぽかされたのかと思ったよ」江川金生はそう言いながら、視線を伊藤香織へと移した。彼女の全身をねめ回すようにジロジロと見つめ、尋ねた。「そちらは?」

私が紹介するより早く、伊藤香織が自ら手を差し出して言った。「初めまして、江川社長。高橋社長の助手、伊藤香織と申します」

江川金生は目を輝かせ、慌てて伊藤香織と握手を交わした。だが、一度握った手を決して離そうとはせず、そのいやらしい視線は伊藤香...

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