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バンッ!

伊藤香織は勢いよくテーブルを叩いて立ち上がり、江川金生を睨みつけて言った。

「江川社長、私たちはビジネスの商談に来たのです。決して体を売りに来たわけではありませんよ」

江川金生は肩をすくめ、全く意に介さない様子で言い放った。

「これが私の商談のやり方でね。気に入らないなら、帰ってもらって構わないよ」

伊藤香織は私の方へ視線を向けた。今回、彼女は私の付き添いで来ており、江川金生の前でも私を立てるためにアシスタントだと名乗ってくれている。だからこそ、ここで決断を下すべきは私なのだ。

私はグラスを手に取り、江川金生の名を呼んで彼の注意を惹きつけた。

私がグラスを持ったのを見...

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