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「もしもし、どちら様でしょうか?」

電話はすぐに繋がり、向こうから中年男性の声が聞こえてきた。低く響く、とても耳に心地よい声だった。

私が名乗りを上げ、坂下商事の名前を出すと、彼はその社名を復唱した。どうやら坂下商事にいくらか聞き覚えがあるらしい。その後、私たちは日時と場所を決め、今日直接会って詳しく話し合うことになった。

待ち合わせ場所のカフェに着くと、源青山という銀行の支店長はすでに到着していた。

「初めまして、坂下商事の高橋真美と申します」

私は彼に歩み寄り、手を差し出しながら自己紹介をした。

源青山は立ち上がって私と握手を交わしつつ、値踏みするようにこちらを上から下まで品...

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