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坂本天宇と連絡がつかず、私は苛立ちを募らせていた。そんな私の不穏な様子に気づいた陸川貴峰が尋ねてきた。

「それなら、まずは俺が相手と会ってみようか」

少し考えた末、私は首を横に振った。

「いいえ、この件はずっと私が担当してきましたから、やっぱり私が行きます」

陸川貴峰もそれ以上は強く主張せず、相手の連絡先を渡してくれた。

さっそく連絡を入れてみると、意外なことに東洋天宇側の担当者も女性だった。声からしてかなり若そうだ。彼女はここ数日立て込んでいるらしく、時間が空き次第こちらから電話すると言ってくれた。お互いに二、三の社交辞令を交わし、電話を切ろうとしたその時だ。

東洋天宇といえば...

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