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私が同意したのを見て、加賀さんはとても喜んだ。彼は待ちきれない様子で私を静かな場所へ連れて行くと、あらかじめ用意していた紙とペンを取り出し、和解書を書くように促した。私は加賀さんの意向通りに書き終え、そこに拇印を押した。

和解書を受け取った加賀さんは、満面の笑みを浮かべた。親として息子のことを思いやるその気持ちは、私にも痛いほどよく理解できる。ただ、いざ自分の身に降りかかってみると、やはり胸の奥がチクチクと痛んで落ち着かなかった。

私のそんな複雑な心境を察したのか、加賀さんは慌てて二、三度咳払いをしてから口を開いた。

「安心してください。戻り次第、すぐにお金を振り込みますから。2000...

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