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だが、これもビジネスの世界だということはわかっている。商売は商売だ。協力し合ってウィンウィンになれるのなら、手を組むのも悪くない。忘れてはならないのは、今の私は坂下商事の危機を一時的に乗り越えたとはいえ、それが自分の家を担保に入れた上でのことだということだ。会社に利益が出なければ、私の家は他人の手に渡ってしまう!

心の中でメリットとデメリットを天秤にかけた結果、気に入らない気持ちを抑え込みつつ、私は小さく頷いた。

下田誠治は再び拍手をし、私と坂下あゆみにそれぞれ左右の手を差し出すと、笑みを浮かべて言った。

「素晴らしい。それでは、三社の協力と共栄を前もって祝うとしよう。ああ、それから千...

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