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方針が決まると、私たちはすぐに行動を開始した。陸川貴峰には引き続き全体を仕切ってもらい、私は田中進に連絡を入れることにした。坂下直樹がこちらにスパイを潜り込ませているなら、当然、私だってあちらに手駒を用意している。

一度目の電話はすぐ田中進に切られてしまったが、数分待っていると向こうから折り返しかかってきた。

どうやら、彼には私が電話をかけた目的がすっかりお見通しだったらしい。彼は慌てた様子で言った。

「高橋さん、顧客を横取りしたのは俺じゃないですよ!全部坂下直樹が勝手にやったことで、俺は本当に何も知らなかったんです。一切関与してませんから、信じてくださいよ」

私はふっと笑みをこぼし...

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