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「あなた……」

坂下あゆみは慌ててお腹を庇うように一歩後ずさり、声を張り上げた。

「高橋真美、あなただって母親でしょう。どうしていつも私の子どもをダシにして脅すの? そんなことして、母親として恥ずかしくないの」

「ものを言う前に、自分が妹として恥ずかしくない行動をしてるか胸に手を当てて考えてみなさいよ。どいて、邪魔よ」

私は手を伸ばし、坂下あゆみを払いのけようとした。誓って言うが、あの時、決して強く突き飛ばしたわけではない。ただ彼女をどかそうとしただけだ。それなのに、彼女は「きゃあっ」と悲鳴を上げてその場にへたり込み、涙ながらに私を指さしてわめき散らし始めたのだ。

「誰か来てくださ...

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