第210章

俺の肩にすがりついて、ようやくまともに立てるようになった江川金生は、親指をぐっと立てた。

「この江川金生、お前に感服したぞ」

そう言って、さらに何か豪語しようと胸を叩いたが、言葉を発するより早く、俺の目の前で派手に嘔吐し始めた。慌てて若い秘書が介抱に駆け寄る。胃のものをぶちまけて少しは酔いが覚めたのか、彼は申し訳なさそうに俺たちに謝り、気まずそうにその場を逃げ出した。

「雨降って地固まる、ってやつか?」

陸川貴峰が腑に落ちない様子で俺を見てきた。

俺は首を横に振る。

「まさか。ほんの少しだけ印象がマシになった程度だ。まあ、今のゲロでそれも完全にチャラになったがな」

その言葉に、...

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