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ドアの陰に隠れていた野原天楽が、真っ先に私を見つけた。私を見るなり、まるで救世主に出会ったかのように目を輝かせた。

「高橋社長、ようやくお戻りになられましたか! 社長のお義母様が……いや、前のお義母様がもう半日も騒ぎ立てておりまして、ずっと泣き喚いているんです」

私は床に転がって駄々をこねるように暴れ回っている前のお義母様に目をやり、野原天楽に頷いてみせた。

「分かったわ。みんなに伝えてちょうだい。今日は半休にするから、帰ってゆっくり休むようにって」

半休になると聞いて、野原天楽はさらに目を輝かせ、すぐさま頷いてその場を離れた。

「高橋真美!」

私を見るなり、坂下あゆみが呼び捨て...

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