第62章

「どうして、ここに?」

 私は驚きを隠せずに彼を見上げた。まさかこんな人里離れた荒野で、彼に出くわすなんて夢にも思わなかったからだ。

 彼は私を助け起こすと、眉をひそめた。その瞳には微かに咎めるような色が滲んでいる。

「たまたま、通りかかっただけだよ」

「あなたも、千葉源を探しに?」

「ああ。……歩けるか?」

 足首を動かしてみる。瞬間、突き刺すような激痛が走った。悲鳴を噛み殺して堪えたものの、足から力が抜け、その場にへたり込みそうになる。

 坂本天宇が再び私を支えてくれた。だがその時、彼の指先が私の負傷した手に触れてしまい、顔が苦痛に歪む。

「その手、どうしたんだ?」

 ...

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