第86章

顔がカッと熱くなるのを感じた。彼はいったい、どんなご褒美を求めてくるつもりなのだろう。不安がないと言えば嘘になるけれど、心のどこかで期待している自分もいた。

『どんなご褒美がいいの? あんまり意地悪なのは駄目だよ』

 私は文面を推敲してから、坂本天宇へと送信した。彼からの返信は、相変わらず素っ気なく二文字だけだった。

『保留』

 私は苦笑しながら首を振った。その時、霧雨みよから電話がかかってくる。到着時間を聞かれ、もう向かっていると告げた。

 ほどなくして、彼女たちのいる店に到着した。ドアを開けるやいなや、霧雨みよがこちらに気づいて手を振ってくる。私は軽く頷いて合図を返し、彼女の元...

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