第187章

「よし!」高波七海は頷き、もう何も言わなかったが、電話を切る気配もなかった。

「他に用件は?ないなら切るぞ」相手の声には次第に苛立ちが滲んでいた。

高波七海は電話を切られるのを恐れ、急いで言った。「M国の件はそんなに厄介なの?大体いつ頃帰ってこられるの?」

斎藤拓海まで呼び戻されたのだ。

相当難しい問題なのだろう。

相手は彼女の考えを見透かしたかのように、淡々と言った。「こちらの件はもう少し時間がかかる。斎藤拓海が戻ったのは彼なりの任務があるからだ。お前たちはそれぞれ自分の仕事をきちんとこなしていればいい」

欲しい情報が得られず、高波七海は諦めきれなかった。

「大丈夫なの?私が...

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