第31章

テーブルの上の料理をことごとく貶した後、高波明は振り向いて、無邪気な瞳をパチパチさせた。

「もういいよ、パパ。これからはおじいちゃんの家に来ないことにしよう。ここの料理はマジでまずいし、ママの腕には全然及ばないよ。それにおばさんは僕を叩くし、おじいちゃんも叩くし。もうおじいちゃんの家には二度と来たくないな」

まさかこの小僧がまた蒸し返すとは。三原雄介は手が震え、箸がパタリとテーブルに落ちた。彼は高波直俊の表情を見る勇気もなく、ただ高波明に向かって取り繕うような笑みを浮かべた。

「明、そんな言い方はダメだよ。誤解を招くから。さっきはおじいちゃんの一億円の花瓶を割ったから、おじいちゃんが怒...

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