第84章

山田強は薬の瓶を見つめたが、手を伸ばして受け取ることはなかった。

「これは何だ?」

坪田真耶は問い返した。「あなたはどう思う?」

山田強はすぐに激昂した。「たった四歳半の子供だぞ、毒を盛るなんて、少し残酷すぎないか?前は江下から出すだけでいいって話じゃなかったのか!」

坪田真耶は馬鹿を見るような目で彼を見た。「これは睡眠薬よ、一錠で一日中眠れる。あの子に騙されないように、毎日一錠飲ませなさい」

睡眠薬だと聞いて、山田強は少し安堵し、彼女の手から薬瓶を受け取った。

坪田真耶は念のため念を押した。「覚えておきなさい。毎日一錠、彼らを江下から出すまでよ」

土の家を出た後、坪田真耶は井...

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