第18章

長川貞也は車内の後部座席に身を沈めていた。運転席の鈴木青がハンドルを握りながら、どこか言いづらそうに切り出す。

「長川様……島崎ワイナリーの村木様に、私……ブロックされました。何か、ありましたか?」

「……ああ」

男はこめかみを指で押さえ、疲れた息を吐く。苛立ちと面倒くささが滲んだ声だった。

「さっき涼が治療を受けてる最中に、ビデオ通話を入れた。そしたらこっちの端末がネット攻撃を受けてな。村木飛雄がキレて、通話を切った」

「長川グループに弄ばれたと思ったんでしょうね」

島崎ワイナリーの規模は長川グループに及ばない。だが村木飛雄は筋が通った男で、評判も頑固一徹。交渉相手としては厄介...

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