第23章

橋野悠希が視線を落とすと、ちょうどお婆様の掌にできた硬い胼胝が目に入った。思わず息をのむ。

――まさか。長川お婆様、昔は武芸の心得がある人で、弓の名手だったのか。

西原勝哉が手をひらりと振り、使用人に的の位置を正させる。それから長川お婆様へ、うやうやしく頭を下げた。

「長川お婆さん、よろしければ一度お試しになりますか」

「いいよ。やってみようか」

長川お婆様が弓に触れるのは、三年ぶりだという。

立ち上がり、長弓を取る。弓はお婆様の体格に合わせた特注で、引きは一般の上等な弓ほど強くない。それでも――長川お婆様は難なく弦を引き絞った。

その所作だけで、年齢を感じさせない身のこなしが...

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