第24章

橋野悠希はそっと視線を上げ、相手を見据えた。余計な表情はない。声も淡々として波ひとつ立たない。

「どう遊びたいの?」

鈴木美由紀がにこりと笑う。

「弓矢で遊びましょう!」

――この女、本当に腹が立つ。

橋野悠希の、どこか「見下ろしている」ような、褒められようが貶されようが動じない顔。まるで自分が道化みたいじゃない。

ふん。焦らなくていい。すぐに、その余裕が消える。

鈴木美由紀は続けた。

「でも的を射るだけじゃつまらないわ。お互いを的にしましょう。頭にリンゴを乗せて、リンゴに当てたほうが勝ち」

田舎者が、弓を引いて自分を射る? できるはずがない。弓の持ち方すら知らないに決まっ...

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