第50章

「涼、その花……どこで覚えたの?」

橋野悠希の声は、抑えきれない高揚で震えていた。

涼はきょとんと悠希を見上げる。なぜそんなに興奮しているのか分からない様子のまま、それでも素直に答えた。

「この前、書斎で見たの。お花がいっぱいのノートがあって、それ持って帰って、まねした」

その瞬間、悠希の中で点と点がつながった。

だからだ。自分が長川貞也の書斎を探しても、お爺さんの日記が見つからなかった理由。

ずっと求めていたものが、こんなにも近くに――。

悠希の喉がひゅっと鳴り、声がかすれる。

「涼……そのノート、見せてくれる? お願い」

涼はこくりと頷き、悠希の手を引いた。向かうのは子...

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