第57章

橋野悠希は少し意外そうに目を瞬かせた。長川貞也が淡々と言う。

「お前は、俺のパートナーだろ」

男の体温が残る上着が、悠希の身体にまとわりつく冷えをわずかに和らげる。

けれど、そんな温もりは焼け石に水だった。悠希は堪えきれず、ぶるりと震える。

「……これ、いったい何が起きてるの?」

長川貞也は周囲を見回し、短く推測した。

「設備の老朽化だろ。そこに、さっきの主任が修繕費をちょろまかした。だからここまでデカい事故になった」

悠希も同じ考えだった。小さくうなずき、少しでも暖かそうな隅へと身を寄せる。

長川も長ズボンに薄いシャツ一枚きりだ。風の吹き出し口の前で凍える気はないらしく、二...

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