第72章

彼の表情が、たちまち露骨な苛立ちに染まった。

「これが全部だ。先に手を出したのは、そっちの子どもだろ」

涼がそっと橋野悠希の服の裾を引っ張る。

「ユキお姉さん、ぼく……」

悠希は涼の頭をやさしく撫でた。

「大丈夫。私は涼を信じてる」

それから悠希は、鋭い視線で園長を射抜く。

「監視カメラに問題はないって言うなら……パソコン、少し借りてもいいですか」

園長は、悠希が何をするつもりなのか分からない。だが嫌な予感だけが先に立ち、反射的に拒んだ。

「何のためにパソコンなんて。証拠なら、もう目の前にあるじゃないですか」

悠希は冷たく言い放つ。

「じゃあ警察を呼びます。涼は先天性の...

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