第73章

橋野悠希の的確な処置で、涼の容体はいったん落ち着いた。だが、彼女の表情はなお硬いまま。

「現状、楽観はできません。涼の発作は、情緒の揺れと連動している可能性があります。すぐに病院へ搬送して、精密検査と治療を受けさせましょう」

長川お婆様の瞳に涙がにじむ。

「涼が、こんなに小さいのに……どうして……」

長川貞也はお婆様の手を強く握り返し、揺るがない目で言った。

「お婆さん、心配しないでください。涼には最善の治療を受けさせます。悠希もいる。必ず力になってくれる」

橋野悠希は、蒼白な涼の小さな顔を見つめた。胸の奥に不安が渦巻く。それでも同時に、決める。

――この命は、私が守る。

少...

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