第288章

 一行は個室を後にした。

 石川秀樹が水原玲をエスコートし、二人は先頭を歩く。

 残りの三人が、その後ろに続いた。

 彼女の足取りがどこかおぼつかないのを感じ取り、石川秀樹は短く問いかけた。「どうだ。病院に行くか?」

「平気です。こうなることは予想していましたから、事前に解酒薬(アルコール分解薬)を飲んでおきました」

 ただ、酒を煽られるペースがあまりに急激だったため、今は少し体に力が入らないだけだ。

 石川秀樹は無言で頷いた。

「いつ帰国したんですか?」水原玲は何気なく尋ねた。

「ついさっき、飛行機を降りたばかりだ」

「どうしてここに?」

「商談だ」

「それじゃあ、時...

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