第289章

 高塚礼佳は一気にまくし立てた。

 水原玲は返す言葉もなかった。

 高塚礼佳は、また鈴木雲の方を向いた。

「雲、そう思うでしょ? 今日の石川社長、かっこよかったわよね?」

「まあな。一応、少しは償いになったんじゃないか」

 鈴木雲はさらりと答えた。

「償い?」高塚礼佳は首をかしげる。「どういうこと? 石川社長って、以前は玲に優しくなかったの?」

「優しかったら離婚なんてするわけないだろ」

 鈴木雲は鼻で笑った。

「石川秀樹っていうクズ男は、以前から玲にろくなことしてこなかったんだ。皮を剥いでやりたいくらい恨めしいよ」

「そうなの?」

 高塚礼佳は半信半疑といった様子だ。...

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