第290章

 文句を言いつつも、結局は心配なのだ。

「腹は減ってないか? 何か食うか?」

「いや、いい」

 石川秀樹は首を横に振って尋ね返した。

「あいつらはもう寝たか?」

「寝たばかりじゃよ」

「なら、書斎で話を」

「話だと? お前は寝なくとも、わしは寝たいんじゃがな」

 祖父は取り合おうとしない。

「少しで済む。いくつか聞きたいことがあるだけだ。爺さんの睡眠時間は削らない」

 石川お爺さんはそれを見て、無言のまま彼について書斎へと入っていった。

 石川秀樹はすでに疲労困憊だったが、その疑問を解消しない限り、安眠などできそうになかった。

 ソファに腰を下ろし、ずきずきと脈打つ眉...

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