第302章

 一方、水原玲と石川秀樹、二人きりの部屋にて。

 石川秀樹は、彼女が纏う空気が唐突に凍りついたのを察知し、思わず視線を向けた。

「どうした?」

 水原玲の表情は極限まで冷え切っていた。彼を見据え、問いかける。

「今日、水原心奈も来ているのではなくて?」

「知らん」

 彼は自分に関係のない人間になど興味がないのだ。

 だが、水原玲と水原心奈は犬猿の仲だ。特に玲はあの女を毛嫌いしている。滅多なことでは話題にも出さないはずだ。

 石川秀樹は即座に察した。

「水原心奈の仕業だと?」

「彼女以外、考えられません」

 石川秀樹が微かに眉を寄せたその時だ。鈴木雲と渡辺勇介が揃って入っ...

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