第316章

石川秀樹は無言でドアロックをかけると、彼女を見つめ、淡々と問うた。

「まだ降りるつもりか?」

水原玲は彼の視線を受け止めた。その態度はどっちつかずの冷淡さだが、有無を言わせぬ圧迫感があり、彼女にはそれがひどく威圧的に感じられた。

不快感がさらに募る。

泥酔とまではいかないが、それなりの酒量だ。頭がふわふわとして、ただ家に帰って眠りたいだけだった。

彼女は反論する気力もなくし、冷ややかに告げた。

「では、石川社長に送っていただきます」

会話すら拒絶するような彼女の態度に、石川秀樹の機嫌も損なわれた。

ちょうど斎藤恭介が乗り込んでくる。

「出せ」

冷徹な命令が飛ぶ。

斎藤恭...

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