第062章

「分かった」石川秀樹はそれ以上考えるのをやめた。

「じゃあ、急いで行ってくれ。私は健太と香織を連れて行くから、ゆっくり過ごすよ」

「うん」石川秀樹は短く返事をして、その場を去った。

石川里見が水原家の兄妹を連れて行こうとしたが、二人も特に抵抗しなかった。

渡辺勇介は人懐っこい性格で、自分を決して他人と思わず、ましてや石川秀樹とは幼い頃からの付き合いだ。彼は自然に石川里見について行った。

佐藤雅子はリビングに座っていて、可愛い孫を一目見るなり、嬉しそうに笑いながら言った。「健太が来たわね。早く、おばあちゃんに抱っこさせて。おばあちゃんがいつも好きなお菓子を用意しておいたのよ」

水原...