第158章

山本健一は得意気に鼻を鳴らし、心の中で思った。女というのは躾が足りないから、甘く見ると調子に乗るのだ。

中村奈美が去った後、彼はエレベーターを待っている渡辺美代に追いつくために小走りで駆け寄った。

「本当に上に行って美咲ちゃんに迷惑をかけるつもりじゃないだろうな?彼女は今、子供を身籠っているんだ。もう男の子だと確定しているんだぞ。頭をクールにして美咲ちゃんに近づかないほうがいい。もし高橋隆一に君が母子に危害を加えようとしていると知られたら、あの恐ろしい気性で、間違いなく君の皮を剥ぐことになるぞ」

渡辺美代は何の問題もなく買い物に出てきただけなのに、この気持ち悪い二人に出くわしただけでな...

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