第178章

中村奈美は愛する娘を心配し、抱きしめたいと思ったが、手足を縛られて動けず、ただ膝をついているだけだった。

「美咲ちゃん、怖がらないで、お母さんがいるわ。お母さんはずっとあなたのそばにいるから」

山本美咲はさらに激しく泣き出した。

「あそこで点滅しているのは何?鬼火じゃないよね?」

中村奈美は首を回して一瞥し、口枷をしたまま慰めた。

「違うわ、美咲ちゃん、見ないで」

……

リーダー格の男が鼻で笑った。

「おい、撤収するぞ。この母娘が罪を償うのを邪魔するな」

言い終わると四人は墓地の出口に向かって歩き始めた。びっしりと並ぶ墓石を通り過ぎながら、背後では二人の女性の悲痛な声が響き...

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