第185章

窓の向こうで、渡辺京は不機嫌な顔をしていた。

「高橋隆一を入れるなと警備員に言っておいたはずなのに、なぜ入れたんだ?」

助手は困った顔で答えた。

「渡辺社長、あの狡猾な奴がこのマンションの部屋を買って、住民になってしまったんです。警備員も住民を止める理由がありませんでした」

渡辺京は煙草の吸い殻を消して、ゴミ箱に捨てた。

「あの母娘はどうだ?」

助手は「狂ってます」と答えた。

「私はこれから数日間、青海町に戻る必要がある。お前はここに残って見張っていろ。お嬢様の安全に注意するように」

「かしこまりました」

……

夕食の時間、高橋隆一は栄養バランスの取れた食事を届けさせた。...

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