第57章

夜は高橋グループが主催するチャリティー晩餐会だった。

渡辺美代は、自分の宝物が高橋隆一に持ち去られていないか心配だった。あの粗野な男が、すべてのものを大きな袋に一気に詰め込んでいないかと不安になった。

考えれば考えるほど心配になった。

藤原樹は、渡辺美代がドレスを買っただけでは足りないと思い、スタイリングも必要だと言った。

彼は無理やり彼女を人気のスタイリングサロンに連れて行き、数時間かけて仕上げた。藤原樹は満足していたが、渡辺美代はあまり変わらないと感じた。入る前はお団子ヘアで、出てきたときもお団子ヘアだった。ただ、彼女が自分で結ったよりも自然で、上にパールが巻かれていただけだった...

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