第110章 誰を選ぶのがいいかな?

二人はほどなく病院に着いた。

時刻はもう、10時近い。

森川汐里は二人の小さな子を少し遊ばせてから、優しくあやして寝かしつけた。

九条千秋は「家に帰って休め。俺が残って付き添う」と言ったが、汐里は首を横に振って拒んだ。

どうしても、ここに残りたかった。

ベッドの上で眠る悦子の唇が、血の気を失って白く見える。その色を見た瞬間、汐里の目の奥が熱くなり、涙がこみ上げてくる。

汐里は苦労をしてきた。どんな辛さだって耐えられる。

けれど――自分の子が苦しむ姿だけは、どうしても見ていられない。

森川悦子は敏感にそれを察し、小さな手で汐里の腕をとんとんと叩いた。

「ママ、泣かないで。悦子...

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