第114章 再会

「……いいえ。ただ、あなたに話したいことがあるだけです」

そう言い切ったきり、藤原由真は口を閉ざした。

車内は、息をする音さえ邪魔になるほど静まり返る。

誰も、次の言葉を探そうとしない。

森川汐里は、ただ車が延々と走り続けている気がした。路面はところどころ荒れていて、身体が小さく揺さぶられる。

藤原由真が何を企んでいるのか、見当もつかない。

どれほど時間が経ったのか。汐里がうとうとしかけた頃、ようやく車が止まった。

藤原由真が彼女の腕を取って、半ば引きずるように外へ連れ出す。

目に飛び込んできたのは、見慣れた海だった。

――ここは、結婚式を挙げた場所。

恋人だった頃、汐里...

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