第12章 どうして来たんだ

ドンッ――藤原由真は扉を蹴り破るように開けると、そのまま慌ただしく階段を下り、彼女の様子を確かめに行った。

目に入ったのは、ベッドに横たわる森川汐里。

そのベッドは余計な設備など何ひとつなく、やけにみすぼらしい。寝返りを打つだけでギシギシと軋み、ぐらぐら揺れるほどだ。

物音に気づいた汐里は、一瞬だけ呆けた顔をした。

――誰が、ドアを「蹴って」開けるのだろう。

そんな疑問と同時に、ほんの一秒だけ、正義の味方が助けに来てくれるなんて幼い幻想がよぎった。

けれど、藤原由真の顔を見た瞬間、その幻想は粉々に砕ける。

……そうだ。こんな開け方をするのは、彼しかいない。

藤原由真は本来なら...

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