第124章 森川美香は残る?

森川汐里の瞳の奥で、憎しみがひと筋、ひらりと走った。

落ちぶれたからといって遠慮するどころか、森川美香は開口一番、噛みつくように言い放つ。

「クソガキ。あんた、母親にそんな態度取るわけ? ほんっと恩知らず。育てるくらいなら犬でも飼ったほうがマシだったわ」

そう言いながら、勝手知ったる顔で中へ入ろうとする。だが汐里はすっと身をずらし、玄関先でぴたりと道を塞いだ。入れない。視線だけが冷たい。

「……どうして、私がここにいるって分かったの?」

その一言が火に油だった。美香の顔がみるみる歪む。

「よくもそんな口が利けるわね? 私はあんたの母親よ! それを、あんな人前で道路に放り出して!」...

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