第128章 引っ越しは同棲のため!

森川汐里も、ようやく状況を飲み込んだ。

藤原由真に奪われた荷物をひったくり返し、露骨に不機嫌な顔で言い放つ。

「あなたに関係ある?」

汐里はまぶたすら上げず、黙々と荷物を整えはじめた。

胸の奥に詰まった息苦しさが、どうしても下りてくれない。だから藤原由真に、まともな顔など向けられるはずもない。

――そこまで小野雨音が大事なら、どうして今さら私に絡むの。

そんな考えが、勝手に浮かんでしまう。

藤原由真の呼吸が、一瞬止まった。

昨日の件で汐里が怒っているのが怖くて、朝から勝手に押しかけてきたのだ。長年一緒にいた彼には、彼女が今どれほど苛立っているか、見れば分かる。

男は言葉を選...

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