第14章 断食騒ぎ

若いメイドには、藤原由真の顔に浮かぶ笑みが何を意味するのか分からなかった。ただ小さくうなずく。

藤原由真は用件だけ言い残すと、藤原邸に長居することもなく、容赦なく踵を返して出ていった。

若いメイドはその言葉を胸に刻み、地下室へ向かう。ベッドに仰向けのまま、天井を見つめている森川汐里を見て、胸がきゅっと痛んだ。

「奥さま……お腹、空いていませんか。何か、口にできるものをお持ちしましょうか」

その声に、森川汐里の唇がかすかに震えた。何かを思い出したように目を伏せ、次の瞬間には、刃物みたいな決意で言い切る。

「食べない。持ってこなくていい」

――断食する。

藤原由真は堕ろさせたいのだ...

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