第148章 感謝

森川汐里は、思わず声を漏らして笑ってしまった。

ここ数年、九条千秋はずっと忙しい。だから一緒にいられる時間のほうが少ない。

むしろ、彼が突然「今日はそんなに忙しくない」と言い出したら、汐里のほうが不思議に思うくらいだ。

それでも、せっかく取れた一日の余裕だ。汐里は素直に嬉しかった。

少し間を置いて、ふと思い出したように言う。

「そうだ。今日、悦子の入学手続きしてきたの。市内で一番いい小学校」

九条千秋は笑って頷いた。

「いいじゃないか。うちの悦子、もうすぐ学校だな。嬉しいか?」

そう言いながら、九条千秋は森川悦子を高く抱き上げ、わざと大げさに揺らして笑わせる。

森川悦子はこ...

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