第18章 彼女を餓死させる

森川汐里は呆然と彼を見つめた。どうしてこの男は、こんな言い方をするのだろう。

けれど男は相変わらず不機嫌そうに眉をひそめ、吐き捨てるように言った。

「こっちだって朝飯も食ってねえんだ。お前だけ何を食うつもりだよ」

汐里は拳をきつく握りしめた。本当なら怒鳴り返したい。だが――今の自分は身重だ。自分とお腹の子を守るため、ここは耐えるしかない。

「……じゃあ、いつなら食べられますか」

男は汐里を横目で睨み、鼻でふんと笑った。

「待ってろ。俺らが食い終わって残ったもんをやる。そしたら食えるだろ」

そう言い捨てると、汐里の空腹など気にも留めず、乱暴に扉を叩きつけるように閉めた。

バンッ...

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