第21章 水も食料も断つ

その言葉を聞いた男は、びくりと肩を跳ねさせ、探るように訊ねた。

「……つまり、その……?」

殺しなんて、さすがに無理だ。まして、そんな大金も積まれていない。

「安心して。あなたに犯罪みたいなことはさせないわ。ただ……あの女に、もう少しだけ厳しくしてほしいの」

小野雨音はにこやかに、まるで世間話でもするみたいに言った。

使用人は少し考える。

いま森川汐里は断食同然で、毎日ほんの少しの水を与えられているだけだ。

――さらに厳しく、となれば。

水すら与えず、地下室に閉じ込めたまま放っておけ、ということになる。

そう思い至った瞬間、男の背筋を冷たいものが走り、身体が小刻みに震えた。...

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